チェンジ・マネジメント
- オフィスを無くす本当の理由
- 12月6日の「オフィスはいらない」のエントリーを読んだ、友人のHoriさんからメールを頂いた: Web見ました。事務所閉めるそうで。 須田さんが整理されているとおり、オフィスは、贅沢固定費はですね。 でも、個人的には、あの場所とあの雰囲気は好きでしたよ。まあ、須田さんもそうでしょう。 また、次なる仕掛けを楽しみにしています。 僕の方と言えば、一方、巨大な贅沢固定費ビル、オフィスビルを作っています。これもまた、なかなか、面白いですがね。 頂いたメールに対してお返事を書き始めたところ、実は「オフィスはいらない」ということより、私が神楽坂のオフィスを閉めたのは、他の理由のためだったのだと気が着いた。 私もあの場所とあの雰囲気は大好きでした。 家族ごと神楽坂の傍に引っ越すことも検討したのですが、高すぎて。子育てと仕事を両方フルにやりたい人間にとって、ロケーションの重要度を痛感しています。 通勤往復3時間は、平日起きている時間の18%であり、かつ、自宅から遠いところにある事務所にいる時間は、子どものケアが全くできないという状況。少なくともオフィスが傍であれば、目を見て、体に触れながらの会話が必要な時にできる。何故神楽坂事務所を閉めたかという理由を追求していくと、実は子育てファクターが一番大きいですね。 結局ウェブが起動に乗れば、自分の居場所としてまたどこか家の近くに「オフィス」を借りるので、コストは実は最大のファクターでは無いですね。 こうやって考えると、オフィスの位置づけはこのような優先順位なのでしょうか: 1.私の人生で一番大切なこと:フルに生きる 2.フルに生きるために一番大切なこと:家族と共に育つ 3.家族と共に育つために同等に大切なこと: (1) 生活をする糧を得る (2) 生きがいを感じる仕事をする (3) 願わくば子どもたちが無事成人し、大人として60年間又はそれ以上生きた時、生きがいを感じることをして、社会貢献できるように育つことに影響を与える。そのためには、衣食住についての意識と自己管理が重要。 4.(1)と(2)のために大切な事は、それなりの仕事を探し、それを一生懸命やる。(3)のために大切なことは、子どもたちが成人するまで、言葉、行動で人として生きるために大切だと思っていることを伝え続ける。 5.現状では(1)と(2)をする場所としては、ウェブで自分の仕事を伝えていれば、ロケーションはフレキシブルだが、(3)は子どもとお互いに簡単にアクセスし合える場所だということが大切。 Horiさんのメールのおかげで、オフィスを無くすことの意味の本当の焦点にたどり着きました。有難うございました!早速これもブログのエントリーにさせて頂きますね! 神楽坂のオフィスに来てくださったことのある方たちに「オフィスを閉める」と話すと、殆ど皆さんがHoriさんと同じリアクションを示す。本当にステキな場所だった! 振り返ると、東京21世紀クラブが丸の内ビルにあったころも、10年前のスチールケースの広尾オフィスも、本当にステキだった。このブログにも写真が残っている。他にも、大好きだけれども無くなってしまったカフェや、風景も沢山ある。それと同時に、新しく発見した昔からある場所や、パートナーや友人たちが作ったオフィスも以前以上沢山ある。季節は変わる。変わると分かっているからそれぞれの今のステキさを称え、楽しみたい。大切なことを見失わないように。 ...
- 2008年12月09日 10:52 | コメントなし
- オフィスはいらない
- 神楽坂にプロジェクト工房オフィス(スタジオ)をオープンしてから2年4ヶ月。会社専用のオフィスはいらない、と判断し、今月末閉めることにしました。今までオフィスでかかっていた固定費の大部分を、ウェブに投資します。私にとって、自然ではない、大きな行動変革です。ただ、色々と考えた末、変わるしかないと判断しました。 その考えた内容は下記の通りです: 1.オフィスは価値を生み出していない 人が集まるにしても、私が声をかけなければ集まりません。数人集まる時には、その日のお互いのスケジュールで都合の良い場所にあるスターバックスやタリーズに集まります。誰かを常時オフィスに置いていると、オフィス費用+固定費がかかります。カフェでもやれば別ですが。でも私のしたい仕事はカフェの運営ではありません。 私は仕事は、頭脳労働です。ワークスタイルとして、専用オフィスでないとできない事は全くありません。なので、クライアントに価値のある情報提供や企画などは、専用オフィスで生み出されていません。 2.オフィスには招待して来てくれる人もいるが、ウェブには殆ど毎日誰かが訪れ、何か価値を持ち帰ってくれている 日本中のあらゆる場所、世界中のあらゆる場所から、本当に多くの方たちが私達のウェブ・ページを訪問してくれます。日本では、ワークプレイス創りの先端を行っている方々がこのサイトを読んでくれています。ここから発展したコラボレーションは多々あります。私達の仕事では、価値を生み出さないオフィスに使うお金は99%自分と知り合い達との贅沢で、その反面ウェブに使うお金は全て訪問者に何かを伝えます。今までウェブサーベイなどもクライアントのプロジェクトで行ってきましたが、オフィスにお金使うのではなく、もっとやりたい研究・調査のウェブ・サーベイで使えば、どれだけ面白い事か! 3.オフィスに行くということは、好きな人たちに会いに行くということ 神楽坂にオフィスを構えるきっかけとなったのは、ちょうど榊田建築設計事務所の榊田さんがオフィスを探していたので、共同で借りたら面白そうだ、という理由からでした。その二人が、より自分たちの建築という仕事に近いパートナーと別会社を立ち上げ白金台に12月に移転することになった際、広くなったオフィスで、プロジェクト工房のありかたを拡げる良いチャンスだ と考えました。しかし、そのための色々なアイデアがあっても、その運営のしかたを考えるとどうしても現時のビジネスモデルに上手くフィットしませんでした。そもそも榊田建築設計事務所の榊田さんとオフィスを協同で借りることにしたのは、一緒に仕事をしていて楽しかったから。神楽坂のオフィスに行く一番の動機は、榊田さんと待井さんが好きで会うことが楽しみだったからです。その人たちがいなくなるということは、オフィスに行く一番大きな理由がなくなることだと気が着いたのです。 4.自分の巣は必要だけれども、会社専用オフィスは必要ではない 結局神楽坂でのオフィスの使い方は、私たちにとって別荘だったようなもの。プロジェクトで毎日クライアントのサイトに行ったり、忙しい時期に詰めてレポートを書いたりする時は、神楽坂オフィスに行かずに自宅で仕事をしていました。 世代や、育った文化によって違うかもしれませんが、私は自分の巣が必要です。でも別荘は必要ではありません。 5.セキュリティを考慮した打ち合わせの場所の確保 打ち合わせでセキュリティが必要な事もあります。ただ今までのプロジェクト工房の仕事からすると、比率として10%ぐらいがそのような打ち合わせです。そのぐらいであれば、貸し会議室、ホテルの個室、レストランの個室などで十分です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ここまで色々と書きましたが、最も大きなきっかけとなったのは、Creative Companyを書いた、私の尊敬するThe Law FirmのAndy Law氏の講演を聴いた事です。私たちはオフィスの持たない会社だ、オフィスはコストだ、いらない、と聞いて、最初は心の中で大反論しました。ただ、もしも自分がそうしたらどうなるだろう?と考えてみました。すると、良いオフィスの使い方が考えられなかったのに、専用のオフィスが無ければできることが沢山あることの気が着いたのです。そして、財務的に考えても、私にとってオフィスは時間もお金も消費する「コスト」でしかなかったのです。 ここではじめて知識労働者の殆どは、専用のオフィスが無くても仕事はできる、という事を受け入れました。 ということで、現在新しいウェブの準備中です。 ということで、今後の私のワークスタイル・ワークプレイス・コンサルティングは、知識労働者・頭脳労働者の専用オフィスを無くすことによって、企業価値を上げる事となります。 ...
- 2008年12月06日 22:53 | コメントなし
- 本物から学んで下さい
- 三男も5年生になり、週末となると子ども達三人ともそれぞれのやりたいことで週末は家にいないことが多くなりました。それに比率して、私は最近夫と二人きりでゆっくりと出かけることが多くなっています。昨日はみなとみらいの周辺を一日散策しましたが、そのうち有隣堂で2時間も過ごしてしまいました。本当に色々な本が手に入りますよね。 きっとワークプレイス関係の本も、オフィス・デザイン、オフィス建築、オフィス・インテリアで探すと沢山あるでしょう。もちろんそのような本から、使える良いヒントは得られると思います。でも、ワークプレイスを企業変革の一つのツール、またはビジネスの一環として総合バランスで考えるのであれば、是非本物から学んで下さい。本物というのは、成功しているビジネスを立ち上げた人たち、という事です。または、長期的に勝っている人たち(スポーツ・チーム経営者、監督、選手)ということです。 そのような 人たちの本を読んだり、話を聞いたりすると、「場」や「環境」の話がメイン・テーマにはなりません。そこの部分だけ切り抜いて話して欲しいと思ってもそれだけでは良く分からない内容の話になるでしょう。でも、場作りに関してもそうです。結局ワークプレイスや、オフィスとはビジネスや、目的達成するために必要な一部なのであり、決してそこだけ切り取って考えるべきではありません。 コトを行うための環境というトピックは、伝記などを読んでいるとよく出てくるものです。そこの部分だけとなると、本の50分の1ぐらいの比率かもしれませんが、実際「環境」ということに関して使うべきのエネルギーは、企業においてそのぐらいであるべきなのかもしれません。 以前このブログにも書きましたが、先日またマクドナルド創業者、レイ・クロック氏の「Grinding It Out」(和訳:「成功はゴミ箱の中に」) を読み返しました。ロケーション、仕事にあわせて必要なツールを設置、アイデアを出し合う場など、環境に関しても再度本当に必要なことが詰まっています。何よりも大切な、フルに活き、社会貢献となるようなビジネスを成功させる、というメインテーマに基いていることが大切だと思います。昨日は、有隣堂でバスケットボールをやっている三男と、サッカーをやっている次男にも良いので「一球の心理学」と「打てるもんなら打ってみろ!」を購入し、読みました。私にとっては、本物から学ぶ、という意味では大変良い勉強になりました。もちろんスポーツは大好きなので、面白く読めるということもあります。特に、「一球の心理学」を読んで、今や先進社会のトレンドは、90年代当初に注目を浴びた複雑系を応用した心理学、社会学とハードな物理的測定を合わせた手法を使うことを確認しました。ワークプレイス業界でも今やそれに挑戦しはじめています。 大きな視野でのサステナビリティ(環境だけではなく、企業、社会の持続性)と繋がっているこの新しいホリスティック( 全体論的)なビジネス運営、ワークプレイス作り手法についてはまたのエントリーで。 ...
- 2008年07月14日 10:16 | コメントなし
- フリーアドレス性オフィスとうつ病
- 「どのオフィスの移転も改装も、上手くいったと言うに決まっているじゃないですか。何千万円、何億円を使って移転、改装するんですよ。経営判断したんですから失敗したなんて言えませんよ。」と知り合いとの話になった。 ビジョナリー・ピープルにあったが、World Health Organizationは、2020年には、人が働けなくなる病気2位はうつ病になると予測しているそうだ。 未だにぞくぞくとフリーアドレス性のオフィスにして上手くいったという事例が後を絶たない。企業の経費節約の手段として、これからもしばらくはフリーアドレスが増えていくだろう。 その反面、フリーアドレスは生産性を下げる、フリーアドレスは一部の人間をうつ病にしてしまう、という声を現場でよく聞くようになってきた。 先日イベントでお会いしたかたと話していた時に、ある大企業がフリーアドレス性導入事例のプレゼンをしたところ、質疑応答の最初の質問は、「お宅の会社のうつ病の比率は何パーセントですか?」だったとの事だ。 私の個人的経験からいうと、モバイル化もフリーアドレス性も、その対象者にはかなりストレスがあるし、 ある面で効率が良くなっても、効率が悪くなる面もある。仕事の効果としては、良くなったのかはっきりと分からない。動き回れることは便利だが、自席というベースがないということは、場所で会話や仕事の中身を記憶させることができないので、「落ち着く」という感覚があまりない。人によって違うが、一般の日本人の思考や認知パターンを理解することが大切だと思う。以前一緒にプロジェクトに参加させて頂いた方が、19歳から21歳ぐらいまでの思考、行動、認知、社交パターンが一生続く、と教えてくれた。だから今の若手と、IT社会前の人たちとは動きも考え方も違う。 人が企業の運命を左右させるわけだから、今やフリーアドレス性オフィス対一人一席の効率・効果のしっかりとした調査・研究をせずに、安易なワークスタイルを選択し、オフィスコスト削減はするべきではない。 ...
- 2008年05月31日 20:14 | コメントなし
- 真の改革
- 以前英語バージョンの『達人のサイエンス』を紹介しましたが、最近日本語バージョンが出ました。やはり、スポーツでもビジネスでも、実際に経験をして、勝ってきた人たちの言葉の重みは圧倒的に違い、後輩達に対して的確なアドバイスがあります。 ジョージ・レナードは、『達人のサイエンス』で、 人生のさまざまな領域 で「達人」(マスター)とよばれる人々はみずからの精神と肉体をどう鍛錬しているのか? について書いています。 私自身スポーツが大好きで、スケート、乗馬、バレーボール、バスケットボール、テニスと色々とやりました。でも、典型的なダブラー(少しやってみて、難しくなってきたところを克服するための練習が単調に感じはじめると飽きる)でした。スポーツだけでなく、絵も、勉強もそうでした。唯一飽きずにやり続けているのはビジネスだけです。私にとって一番不得意な領域だとも言えます。そのビジネスで私が今までやってこれたのは、難しくても、単調でも、収入のためということもあり、ひたすら前に進み続けるしかなかったからでしょう。 この間、三男のバスケットボールチームがJOMOのバスケット・ボール・クリニックに参加しました。その写真がホームページに載っているという事だったので、JOMOのバスケット・ボール・クリニックのホームページを訪問すると、ここでもビジネスの世界でもそのまま使えるリーダーシップや、人を育てるコーチングのページを発見しました。スペシャル・アドバイザー高木彰氏のコーチング・クリニック です。ここでの「選手」を「社員・部下」にし、練習内容を仕事内容と入れ替えて読んでみると、分かりやすい、実践できる日々のビジネス・アドバイスになると思いました。 真の改革に繋がる商品をデザインするにも、ワークプレイスをデザインするにも、このような背景を理解することがとても大切なのではないでしょうか。 ...
- 2008年02月11日 20:03 | コメントなし
- 「直せません」
- この時点でビジョナリー・カンパニー著者一員のJerry Porrasのビジョナリー・ピープルに出会えて本当に幸せでした。タイトル「Success Built to Last:Creating Life That Matters」自体はその辺にごろごろ転がっている軽い人たちが書いた軽い人生におけるつかの間の成功論のような臭いがしたので、Jerry Porrasが書いたといえども最初はかなり構えて読みました。一度あちこち飛ばしながら読んだ後、価値があると思えたので再度読み返してみたのですが、良かった!日本語アマゾンのレビューで凄さは分かりません。でも私がなんといっても敬意を持つのは、ここでの「成功...
- 2007年08月19日 00:52 | コメントなし
- マクドナルドの革新
- 2003年3月に、「最後のマクドナルドでの朝食」というエントリーを書きました。当初は本当にもう二度とマクドナルドで朝食を食べたくない、と思っていました。そして、私は2007年2月11日に、家族と一緒にマクドナルドに朝食を食べに行きます。理由はいたって簡単。場所が行きたくなるようなインテリアと雰囲気になったからです。 2年程前から東京周辺のマクドナルド店舗はインテリアを改装をしてきていますが、インテリア改装に伴い、活動も時代にみあった、コミュニティ、人重視、健康意識に変わってきました。フランチャイズということは、店舗改装に大金を使ってもらうためにきっとオーナーさんたちにかなりしっかりとしたビジョ...
- 2007年02月11日 01:38 | 4つのコメント
- 何故表参道に行く気がしなくなったのだろうか?
- 表参道ヒルズの話になった。実は私は仕事関係でしょっちゅう表参道に行くが、一度も表参道ヒルズに入ったことが無い。「あそこ、入りたいとも思わない。何故か避けたい気持になる・・・。」と私が言うと、「あそこは観光エリアですからね。僕も前は何であんなにしょっちゅう表参道に行っていたのか分らない。」と相手が言った。誰かがあそこは90年代のアメリカのショッピング・モールだ、スケール感が悪い、と言っていた。そうかどうか分らないが、確かなのは、行く気にならないという事。 新しく作られた多くのワークプレイスもこんな反応を起こしていないだろうか?キレイだけど、機能が良いというけれど、好きになれない・・・。そういえば...
- 2006年07月05日 02:38 | コメントなし
- ワークプレイス、ワークスタイルはさほど進化しない
- 日経BPニュース:アラン・ケイ氏が描く未来のパソコン像(前編) 2006年06月19日 13時16分 ―― コンピュータ技術の進歩にはめざましいものがありますが。 果たして、そうだろうか。必ずしも進歩していない部分もある。例えば、メモリのデータ転送速度はさほど高速化していない。また、マイクロプロセサも、依然としてシングル・プロセサのアーキテクチャから脱却していない。これは、技術的な問題というよりも、コンピュータ・ベンダーが大きな変化を望んでいないからではないだろうか。 ワークプレイス、ワークスタイルに影響を与えるものは心理的要素だ、行動学だ、やる気だ、と色々とまくし立てている。 今日日経BPサ...
- 2006年06月19日 14:46 | 1つのコメント
- 経験経済・トランスフォーメーション経済
- Frontiers of the Experience Economy AUTUMN 2003 • BATTEN BRIEFINGS A quarterly discussion of innovation, entrepreneurship, and business change One way to determine what business you’re in is to consider what you charge for: If you charge for raw materials, you’re in commodities; if you charge for ph...
- 2006年06月03日 21:35 | 7つのコメント
