私がお手伝いさせて頂いた富士ゼロックスKDIスタジオが、2003年度日経ニューオフィス賞を受賞した。そもそもニューオフィス賞は、オフィスを新しくしましょう!という観点から始まっている。殆どの家具、什器は中古、最低限のお金をかけた、小さな150m2のKDIスタジオが受賞したということは、大きな流れの変化を象徴しているようだ。
KDIの木川田さんから、このことについてどうとらえているか?という質問を受けた。考えを纏める良い機会を頂いたと思う。私の個人的なコメントは下記の通り:
今月号のCasaを見ても分かりますが、現在建築の世界でも、もうすでにスクラップアンドビルド、新しいイコール良いというものではなくなり、オリジナルのデザインを生かし、良いものの命を可能な限りしっかりと使いこなし、手をかけて人と自然の調和に最大の力を注ぐ時代になってきたのではないかと思われます。
やはり五感を生かすことが人間としてフルに生きる方法なので、木川田さんからしばらく前から解いていらっしゃる、機械に人が使われるのではなく、人が必要な時必要なだけ機械を使う人重視の時代が到来したのだと思います。トム・ピーターズが言うように、95%は心理学,社会学、人類学であり、それを活かしたKDIスタジオが賞をとったのではないでしょうか。
8月26日に授賞式がある。その際の会話が楽しみだ。