以前働いていた会社で、ヘッドハンターを通じて雇われてきた方が私の上司となったことがあった。履歴書は素晴らしい内容だったし、インタビューでも、準備の時点のコミュニケーションでも優秀そうな方だった。でもその方は、一度入社すると、大切な事は自分で何も決めない、人の仕事の内容を考えない、会社のビジネスの流れを総合的に理解していない人だという事が、ものの数週間で判明した。運良く私は妊娠していて、その時点での耐えがたい状況からとにかく離れるために、早めに産休に入った。その方は、私が産休の間に会社を去っていった。
先日ビジネスで長年お付き合いさせて頂いている方とお話をしていた所、その方の名前が出た。なんと、私がよく知っている有名な企業に次期社長候補として入社されたそうだ。今回もヘッドハンターを通して。
企業は人だ。どのビジネス書を読んでも、どのサクセス・ストーリーを聞いても、どの長年地道にやってきた企業の社長と話しても、結局企業は人だという結論に達成する。それなのに、何故未だに多くの企業がヘッドハンターを通じてキーポジションにつく人をいともカジュアルに決めているのか。私の体験は、特に外資系では日常茶飯事らしい。
不思議だ。本当に不思議だ。