何故現場主義なのか。何故一般論を真に受けないか。
Richard Feynman教授のご冗談でしょう、ファインマンさん!を読んだのは十数年前だ。その時は、単にファインマン教授の実際体験したことと、一般論と違っていることが大変面白く思えた。でも、ビジネスの世界で色々なことを自分で体験してきて、徐々にファインマンさんが学んだ実際の世界と一般論の差は、日常のビジネスの世界でも同じだという結論に現在たどりついている。専門家と呼ばれる人たちは、実は理論を学び、他の人たちが書いている事を研究してきた研究評論家が多いような気がする。
“Wait a minute,” I would say. “Is there a particular example of this general problem?”
“Why yes; of course.”
“Good. Give me one example.” That was for me; I can’t understand anything in general unless I’m carrying along in my mind a specific example and watching it go. Some people think in the beginning that I’m kind of slow and I don’t understand the problem, because I ask a lot of these “dumb” questions: “Is a cathode plus or minus? Is an an-ion this way, or that way?”
But later, when the guy’s in the middle of a bunch of equations, he’ll say something and I’ll say, “Wait a minute! There’s an error! That can’t be right!”
The guy looks at his equations, and sure enough, after a while, he finds the mistake and wonders, “How the hell did this guy, who hardly understood at the beginning, find that mistake in the mess of all these equations?”
He thinks I’m following the steps mathmatically, but that’s not what I’m doing. I have the specific, physical example of what he’s trying to analyze, and I know from instinct and experience the properties of the thing. So when the equation says it should behave so-and-so, and I know that’s the wrong way around, I jump up and say, “Wait! There’s a mistake!”
So in Japan I couldn’t understand or discuss anybody’s work unless they could give me a physical example, and most of them couldn’t find one. Of those who could, it was often a weak example, one which could be solved by a much simpler method of analysis.
from “Surely You’re Joking Mr. Feynman!”
ここではファインマン教授は昔の日本の物理学者達のことを言っているが、残念ながらこの傾向は物理学だけではなく、あらゆる分野で世界的に広がっているような気がする。先日ある企業の全社員が参加するフォーラムに参加させて頂いた。新しい試みで、取引先の方々を招いたパネルディスカッションは素晴らしかった。ここでは、コンセプトがこうだとか、こういうモデルでとかいった話は全く無かった。全てが今現場で何が起きていて、自分達がそこでどう対応していて、一緒に何をしていきたいか、という話だった。そのパネルディスカッションに参加した方々は、マイケルポーターの何とか理論、知識創造の何とか法、空間経済学の何とかなどという言葉なんてことには大した興味は持たないような人たちだったけれど、着実に実績を残してきた、これからビジネスに大きな影響を与えるような人たちだった。その人たちの話には、一般論も出なかった。自分達の体験から学び、それを基に今実行し、実行しながら将来を作っている人たちだ。
そんな人たちと一緒に仕事をさせて頂きたいと思う。そのためには現場主義でなくては、貢献できないと思っている。
sudaさん、こんにちは。
僕も2、3年前にファインマン教授の本読みました。
スペースシャトル事故調査の話で、既存の枠組みを無視して
どんどん行動していくファインマン氏のスタイルに感心したのを
覚えています。
あの本をもう一度読み返してみて、彼の行動のエッセンスを
自分なりに咀嚼すれば、下手な『効率的な仕事の仕方』みたいな
本を読むよりよっぽど役に立つ気がします。
それにしてもsudaさんの読んでらっしゃる本と僕が読んでみた本、
よくかぶるなぁ、と驚いてます。まぁ、大体その分野のベストセラーでは
あるんだけど。
LikeLike
Soさん、こんにちは!そうですね、『効率的な仕事の仕方』よりも、好きでしょうがない仕事をとことんやる、ということなんでしょうか。
読む本がかぶるのって、Amazonのマイリストを見て、あ、この人自分と同じ本読んでる!みたいなものですね。ただ私の場合30代に行き当たりばったりでなんとなく興味を持って読んだ本をSoさんは10代後半、20代の始めで読んでいるわけですが。
LikeLike
知識イノベーションを誘発するワークプレイス
http://images-jp.amazon.com/images/P/448006155X.09.MZZZZZZZ.jpg ■[url=http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448006155X/outloginc-22]『創造経営の戦略 ちくま新書』 という新書を手に取ってみました。本書がまとめ上げようとしている全体像の意図…
LikeLike