一般社員の意見をワークショップで吸い上げる

コールハースの件名さに感激して半場興奮状態にあった聴衆は、講演後の質疑応答で次から次へと質問をし始めた・・・。

・・・コールハースが、さすがに疲れてしまったのかしばらく口をつぐんでいる間に、聴衆たちが口々に議論を始めてしまったのだ。しかもその議論が、氷柱を組み上げたような鋭利なコールハースの論理とは似ても似つかぬ鈍いものだった。発言はいろいろあったが、総じていうと現代人の生活には自然が欠けているといったような論旨で、それが案の定、「自然=安らぎ=都市の中にも緑を」といった安直な方向へ流れていったのである。

 世界経済フォーラムの参加者は、あるレベル以上の知性の持ち主だろうから、高度な理論に支えられたコールハースの講演の内容を十分に理解することはできる。しかし、何せ都市や建築の専門家ではないから、自分たちで議論をするとなると、たちまちのうちに陳腐で当たり前の領域をウロウロとさまよう以外にない。

『行動主義』瀧口範子

 建築ともなると、人の生き方そのものに多大な影響を与える。そこでは、何か作る際になってから一般の意見を聞いて積み上げるということをやっているのではなくて、常時アンテナを張って色々な事を自分の中に蓄積させ、それが醗酵した形で提案になるのだろう。

 今の経営コンサルティングの流行は、ワークショップで一般社員の声を吸い上げるということ。どのタイミングで、どこからどこまでの領域が一般社員の意見を使うところなのだろうか?例えばオフィス・使用、インテリア作りに関しては一般社員の話を最重視すると、収納だらけの、個室だらけのオフィスになるケースが殆ど。オフィス作りでもデザイナー、家具什器メーカー担当者、コンサルタント等、常時アンテナを張って色々な事を自分の中に蓄積させていくことは重要だ。やはりワークショップは、タイミング的にはオフィス移転や階層が決まってすぐぐらいだろう。そして、ワークショップを意味のあるものにするためには、オフィス分野をよく理解していて、鍛えられた観察力、質問力、洞察力があるファシリテーターが不可欠だ。そんなファシリテーターがいれば、一般社員に満足なワークショップになり、又オフィスができあがった際にその人たちをがっかりさせないだろう。

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