SECIプロセスを使って場を構築する方法

野中先生はあらゆる成功している企業を観察することによって知識創造のSECIモデルを見出しました。その後長年の間多くの人たちがそのSECIモデルを使ってそれぞれの企業の知識創造について語ることができるようになりました。SECIモデルは知識創造プロセスの診断ツールとして大変有効です。

SECIモデルはツールとして大変有効なので、このツールを使ってオフィスの構築ができないかという試みを行ってきましたが、現時点では、あくまでも有効な診断ツールとしてのみという結論に達成しています。オフィス構築の過程でSECIモデルを持ち出すところは次の場面となります:

・ その企業のオフィスは何をするところかを決めた後、それをするにはSECIモデルのどこを強化させなくてはならないか検討をする際。
・ SECIモデルのどこを強化させなくてはならないか検討した後、全体においての各エリアの比率を決める。
・ オフィス・デザイン・設計が進むにあたり、色々なファクターによってこの比率や、各エリアの機能が変わっていく事が普通なので、頻繁に当初決めたものと照らし合わせ、SECIモデルの比率になっているか、各フェーズに必要な機能があるかを確認していく。

2 thoughts on “SECIプロセスを使って場を構築する方法”

  1. 先日、慶應のT先生とお話しましたら、SECIモデルを日本に定着させるのは難しいのでは・・というような趣旨のことを話していました。知が体系化されてドキュメントなどで活用できるようになっても、知は思うように連携しない、というのです。やはり最後は人(キーパーソン)である。と申しておられました。
    その意味では組織論やオフィス内の人類学のような視点も有効であろうと思います。(ちなみにT先生は組織論で有名な方です)
    人で思い出すのは、某社が筑波大と行ったユーザ研究です。ユーザの体系化をしたのですが、いわゆるカジュアルユーザ(Novice)やパワーユーザ(Well-known User)以外に、一声かけると使い方やメンテ方法などを適宜適切に教えてくれるユーザが、どの職場でも一人か二人は居ることが分かりました。銭湯の番台にいる人に役割が似ているので、「バンダイ ユーザ」と呼んでいましたが(^^;)、このユーザもある種のキーパーソンと言えなくもないですね。

    失礼しました。(松)

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  2. 松原さん、コメント有難うございます。「バンダイ ユーザ」面白いですね。数年前にスチールケースでのワークプレイス・トレーニングで学んだKaren Stephenson 博士のネットワーク理論 http://www.netform.com/ を思いました。また、SECIモデルの話を何年もしてきているのですが、ここでまた根本的な意味を再度読み直して見なければならないなぁ、と思いました。私の中ではSECIモデルの4つのフェーズでは研究や実験と同じで、プロジェクト、組織、部署によってキーパーソンが全体をプロデュースするのか、グループのほぼ全員が回すのかはあまり変わりないものになっていました。ちょっとおさらいが必要なようです。

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