オフィスは利益を生み出さない空間

W:「利益を生み出さない空間なんて・・・」
C:「それってどういう意味ですか?」
W:「商業施設ってその床面積が利益を生み出すという考えですが、オフィスの床面積って利益を生み出さないじゃないですか。」
C:「間接的かもしれませんが、オフィスも利益を生み出しますよ。そこでデザインされたモノが良ければ、会社に多大な利益をもたらします。」

この会話で、レイモンド・ローウィ氏の『口紅から機関車まで』の一説を思い出した。ローウィ氏が自分のデザインした大ヒットの冷蔵庫を生産しているウェスチンハウスの工場を訪問した際役員に、「君の素晴らしいデザインのおかげでこんなに多くの人たちとその家族が生活するための仕事を持つ事ができるんだよ」と言われ、その役員が一人の工場作業員を呼びとめ、デザイナーのローウィ氏を紹介した際、工場作業員が「良い仕事を有難う」と言って握手を求めた。

商品開発のオフィスは結局売り上げ全てがそこから出てくるので、間接的に会社の売り上げ全てがそこと繋がっている。従って利益もだ。

サービスを売り物としている会社(法律事務所、会計事務所、他)も利益を生み出すオフィスだろう。だが企業の中におけるサービス部門となると、更に間接的になるので、本来であればここはできる限り外に出すべきなのだろう。そうすることによって、利益を生み出さない床面積はずいぶんと少なくなる。

1 thought on “オフィスは利益を生み出さない空間”

  1. 2008年12月6日のエントリーで、「オフィスはいらない」と宣言しました。このエントリーの時には、オフィスでなければ人に会わない、ということを前提にしていたような気がします。現在のウェブ環境とビジュアル・コミュニケーション環境では、それが薄れてきています。

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