デザイン手法:ユーザー観察で重要なこと、その1

IDEOデビッド・ケリー氏の『発想する会社!』を読んだことがある人は多いと思う。また、IDEO社の手法に基づき書かれた多数のイノベーション手法の本を読んだことがある人も多いと思う。バスケット・ボールに勝つためのシュート練習法の本を読んだあと、それに基づいて練習している自分のシュートを良いコーチに見てもらい、その形について指導してもらい、ひたすら練習を積む事でシュートが決まるようになるのと同じように、デザイン手法で使われるユーザー観察も練習を積み、良い結果を出してきた経験者から見て、アドバイスをもらい、ひたすら場数を踏むことで効果的なユーザー観察の結果を出せるようになる。

シュート練習のメタファーを使い続ける。本や、授業でシュート練習について学ぶ際、当たり前だがシュート自体の話になる。だが、効果的なシュートを行うためには、バスケットボール・ゴールが必要だし、そこには試合と同じように、見方チームや敵チームとしてパスやブロックをしてくれる人又はモノが必要だ。デザインやイノベーション現場では、企業、そこをコンサルティングするデザイン会社でさえ、実践の際、実はこのような重要なことができていないケースが多い。

1990年代にIDEOサンフランシスコスタジオの売れっ子デザイナーだったデビッド・トング氏(現在ザ・ディヴィジョン所属)の日本でのプロジェクトで何度かコーディネーターをさせて頂いた時に、そのようなユーザー観察前後のセッティングで問題が起きた。「ユーザー観察にこれだけかの時間と費用がかかるのは、どのような人達を観察することが今回のプロジェクトで有効か決めた後、セッティングしなくてはならないからです。それも、観察したいから見せて下さいといきなり人のお宅に入り込むことはできません。ユーザー対象者に依頼し、日時設定をし、謝礼も払わなければならない。その一連をセッティングしてくれるコーディネーター料金もかかります。」ほぼ毎回このような説明を行い、予算を組むのに一苦労する。ほぼ毎回予算の問題で、観察したい人数の30%減でユーザー観察が行なわれる。

今まで私が参加してきたユーザー観察では、観察時間自体は、1、2回に渡ってで各回1時間~3時間程度。ただ、一つの観察を決めるにあたり、最短で3日間、通常1週間はかかる。スピードの要素は、まず相手が自分の知り合いか、知り合いの知り合いぐらいの距離か。次はこちらと相手のスケジュールがいつ合うか。通常は観察対象のユーザーは、1地域につき(国の場合でも)1人だけではなく、3~8人ぐらいだ。それ以上多い人数もたまにあるが、イノベーション・リサーチや、デザイン・リサーチのためのユーザー観察は、アンケートのように広く調べ統計を出すためよりも、深く理解するためのものなので、人数はさほど多くない。

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