9年前にブログを書き始めた。このワークライフ・サイトだけではなく、他でも沢山の日本語と英語でエントリーを書いてきた。ウェブに存在する私が作ったデータ。私についてのデータ。文章、写真、ビデオ。アマゾンやマリオット・ホテルのサイトに行くと、私へのお勧めが沢山ある。9年以上のオンライン存在で、誰でも簡単に私の嗜好を知ることができる。 オンラインでは、9年以上前からこの瞬間までの私が同時に存在している。私の意識はここにあるけれど、ウェブでのみ私のことを知らない人にとっては、私はウェブの中にいる。歴史で語り継がれてきた英雄、悪人など有名人のみが経験した自分の体験している「今」以外に長く生きる(残る)ことを、今オンラインで何かをしている人は誰でも経験している。 そんなことを去年辺りから考えるようになったら、周りのオンライン・データに関する研究が目に付くようになった。特にエリザベス・チャーチルから教えてもらったhuman-computer interaction (HCI)の今年のワークショップには興味がある。どのような発展になるか楽しみだ。
Category: コミュニケーション
あらゆる角度からコミュニケーションについて考える
職場における影響力の土台:正しいと思っていることをやる
先週多摩大学大学院の紺野先生のゼミで外部講師として参加させて頂き話したテーマについて考えた。 紺野先生の「実践知識経営」プログラムには、ここ数年間年に一度ぐらいのペースで外部講師として参加させて頂いてる。過去私はワークプレイスコンサルタントとしての経験が豊富だったため、知識経営に重要な「場」のテーマの話をしていたが、今年は「職場における影響力 Influencing People」というテーマを頂き、私なりにそれについてお話させて頂いた。実践知というと、私の場合何かを始める際、その事に必要な知識を持って始める事は一度もなかったような気がする。知らないから知りたい、やってみたいという好奇心とチャレンジ精神から全てが始まっている。やりながら知識を得るというスタイルだ。やりたいことに必要な知識は実践の現場と、そこで必要となった知識をそれに携わっている人から話を聞き、本や資料を片っ端から読めば得ることができる。そしてそうしているうちにいつの間にか知識が内面化されていて、独自の観点を持つようになる。そして、更に何かを始める場合、善悪、倫理から入る。これは絶対的な倫理ではなく、その時の自分の考えに基づいた倫理。自分が信じているか信じていないかに関わる。それを影響するのは日本では高校を卒業する前ぐらいまでに経験した何か強烈な経験にある。それが自分の原動力になっていて、それを一生乗り越えようとする思いと行動が、影響力のある人を作り、リーダーを作るのではないか、という事を伝えたかった。 話は1時間弱にしておき、インタラクティブなディスカッションと、それぞれの原動力と影響力を繋ぐためのワークショップに時間をかけさせて頂いた。ただ、その際に伝え切れなかったことは、そこでそれぞれの参加者が発見したこと、思ったことは、あくまでもその時点での観点であり、見方、意味は年齢、経験とともに変わっていくという事だ。 レポート、本、ブログなど、世の中の一般の眼に触れるものを書いていると、そこで書いた事が呪縛になったりする。私の場合ブログを書いていて、書いた時と異なる結論、考えになることは嘘を書いていることではないか、オリジナルを読んだ人達に間違った考えを伝えているのではないか、と大変悩み、結果当たり障りのないエントリーばかり書いている時期もあった。そういう時期があり、それを乗り越え、下記免責条項も各エントリーにつけることによって、もしかすると頂いている影響力をもっと使うきっかけになるのかもしれない。 免責条項:この記事は須田冨士子がこれを書いた時点での意見、思いであり、過去、又将来の意見、思いとは異なることがよくあります。人は育ち、変わるもので、年齢とその時点での時代において意見、思いが時には退化し、時には進化するためです。記事の引用、利用はご自由にして頂いて結構ですが、どうぞこれらをご理解下さい。
三つ子の魂
写真のデータを探していたら、三男のかんたが3歳前後の頃の保育園の日記連絡帳のイメージがあり、ちょっと読んでみた。保育園の様子は保育士さんが、うちでは家での様子をおばあちゃん、夫と私で書いていた。11年前のかんた。人は変わらない、とロジックでは分かってたけれど、性格や得意なこと、苦手なことは全く変わっていないことに驚いた。身体能力が高くて、3歳でよく側転をしていたことは覚えているけれど、お気に入りのバスケットボールで遊んでいるとの姿がストリートバスケを思わせていたという保育士さんのエントリーを読み返して、バスケをしている今の姿が3歳で既にあったんだ、と関心した。皆で分けるものは何でも真っ先にがめる。そして皆が何がなんだかよく分からないうちにさっさと一つずつ配り、残りを自分で好きに食べたり使ったりする。人前にぐいぐい出るけれど、褒められるともの凄く恥ずかしがってぷいっとなる。今更ながら、この子を伸ばすには、認めても、やたらと褒めてはいけないんだなと気がついた。先週多摩大学大学院の紺野先生のゼミで外部講師として参加させて頂き話した際、偉人が若くして面した大きな障害が原動力になる、という話をした。その時、紺野先生は、三つ子の魂百までも、ということも土台だ、と仰っていたことを思い出した。 かんたの中学バスケットボール部の保護者達は、たまたま子どもの成長を楽しんでいる人達が集まっている。今年7月でかんたの代の中学時代の部活は終わる。そのタイミングに合わせて記念に一人ずつの中3と3歳のころを比較するアルバムを作ろうと思っている。自分が信じていることを一生懸命にやり、それぞれの職場で影響力を持つ人間に育ってくれることを願って。 免責条項:この記事は須田冨士子がこれを書いた時点での意見、思いであり、過去、又将来の意見、思いとは異なることがよくあります。人は育ち、変わるもので、年齢とその時点での時代において意見、思いが時には退化し、時には進化するためです。記事の引用、利用はご自由にして頂いて結構ですが、どうぞこれらをご理解下さい。
第一回発見の会 「けなさない、飾らない」を発見
クライアントのイベントをプロデュースすることは、年に1,2回続けていたが、しばらく自分主催のイベントは開催していなかった。イベントのプロデュースをすると、毎回大きな学びがあるし、それを実行すること自体が好き。なので、また自分主催をスタートした。今回のイベント名は「発見の会」。人が集まると必ず発見があるので、その名前にした。発見するものはそれぞれの人の、その時の状況、興味範囲で異なるので、そこを大切にしたい。また、発見には会話が大切だから、この会は顔の見える、声の聞こえる参加人数にしておくつもり。今年1年続けようと思っている。今回を含め、3,4回は開催する予定を立てている。 第一回は、ご好意でTOTO株式会社のテクニカルセンターで開催させて頂いた。B2Bビジネスのために作られたコミュニケーション、コラボレーションの場。何故TOTO社が良い結果を出しているのか納得できた。徹底的に考えたモノ作り。難しい流行用語で語るのではなく、一般ビジネスマンであれば知っている言葉でコミュニケーションを図る。部外者に話しても差し支え無い範囲で、お話を伺った。社内外のコミュニケーション力も比較的当たり前のことがきちんと出来ていると感じたが、何よりも可視化されている状況商品テストや、その成果の見せ方が大変上手い。一人のTOTOの方が仰っていたことだが、「今年の計は、プライドを捨てること。プライドが無い方が物事進むから。」 私の今回の発見は、TOTO社からご参加頂いたお二人のお話を伺っていて、今まで何となく思っていたことが鮮明に理解できたことだ。お二人は、何年も前からエスノグラフィーを実践し、商品開発に活かして来ているが、気取らず、飾らず、当たり前のことを当たり前にやっている、というような感覚で話していらっしゃった。 ここからちょっと話が飛んでしまうが、ご勘弁を。 よく聞く話は、優秀な人材が会社を良くしていくということを理由に、優れた頭脳と性格、堂々とした学歴と経歴の人に会社に入ってもらうという経営コンサルタント、企業役員、人事の活動。それは間違った考えだということを今言えるようになった。それは、心理学に基づく。人は自分が大切だと思われたいし、自分の価値を認めてもらいたい。企業が素晴らしいビジネス成果を上げる法則として、堂々とした学歴と経歴が最初に来なくてはならないという根拠は歴史的に無い。市場にタイミング良く商品、サービスを出し、それがヒットして、それらの状況に合わせて一生懸命に働いた集団がビジネスの成果を上げる。その過程の中、堂々とした学歴と経歴の人が入り、集団の中の人達と同等に一緒に働き、苦労を共にすれば後から入ってきた人も仲間として受け入れられ、チームワークができる。だが明らかに自分達より「優秀」な人材が後から入ってくると、その前からそこにいた人達は、その人に対して心理的な壁を作る。そして、ありがちなのは、後から入ってきた人も、そこにいる人達がやっていることはレベルが低いと思い、それを変えて自分の思い描いている形にしようとする。市場が求めるものを提供している時にはそれでも会社は栄えるが、会社が変わらなくてはならない時期には、あらゆる問題が起こる。 何故TOTO社のお二人のお話を伺ってここまで思ったかというと、TOTO社のお二人の話の中で、何とか部署が全然分かっていなくて、とか、何とかの人達がこんなことをやるから私達はやりたいことができない、というような話が全く無かったことに気が付いたから。よく言う、「白いところ」に気が付いた。TOTO社のお二人は、自分達のやってきた活動や、それがどのように現在のビジネスに繁栄されているか、というような話を、飾り気無く話された。過去10年間企業のコンサルティングをしてきて、その「けなさない」ところ、「飾り気の無さ」が普段の会話や行動ににじみ出ている企業が順調にビジネスを行っているシグナルだと思うようになった。 当たり前のことを当たり前にできる文化。その文化を育んだ人達に大変興味を持った。本日ご参加頂いた皆様、有難うございました。
2011 謹賀新年
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
2010年凄く楽しませてくれた商品たち
今年も家庭、仕事、楽しみのために沢山のものを購入したり、頂いたりした。大晦日にちょっとそれらの商品を紹介してみよう。 ポスタルコの合羽 米国IDEOのデザイナーに頼まれて案内した京橋のポスタルコ・ショップ。私が過去数年間考えてきたあるべき商品の姿がそこにあり、感激した。合羽は一目ぼれして、私にとっては高価な上、入手まで1ヶ月待ちだったけれど、迷わず買った。購入後1ヶ月程で、サンノゼ出張の際、大いに着る機会があったが、機能も着心地もよく、おしゃれだから着ていて気持ちも最高だった。 マックス・マーラの靴 服のメーカーだが、ステキな靴も展示されていて履いてみたら、ぴったり。履き心地が良かった。ドレス・シューズも、硬めでも歩きやすい。細部のデザインや、素材、色などマックス・マーラらしくステキ。惚れてしまい、2足も購入したが後悔無し! キャノンDSC HX1デジカメ スピードが速く、使い勝手が良く、写真の発色が鮮やか。ビデオの質も良い。大好き!! 友人から頂いたアーティスト・イヤリング 7月にコロラド州を訪問した際、友人から一足遅れた誕生日プレゼントに、アーティストが作ったピアス・イヤリングを頂いた。4年前に購入して、ほぼ毎日つけているサンゴとシルバーの指輪とぴったり。シンプルな服を着て、このイヤリングをつけるのが一番好き。大事に、大事にして、長く、長く身に着けたい。 キャノンのデジカメは、テクノロジーものなので、もっと良い機能+軽い、小さいものが出てきたら取り替えるだろうけれど、他の本当に気に入った商品たちは、みなできるだけ長く使いたいもの達だ。どれも壊れたら直し、何年も使うだろう。どれも使い勝手がと美しさが最優先。次に長持ちするもの。次にユニークなデザインという優先順位での選択。ユニークなデザインとは、私だけのもの、又は持っている人がまれということ。 2010年はもちろん一番楽しくて大切だったことは家族や友人、一緒に仕事をした人達とその人達との時間だった。でもこうやって商品たちをリストアップすると、マックス・マーラの靴以外はその人たちと繋がっている。ユニークさを大切にする。直しながら長く付き合う。 今後のデザイン、人、モノのありかたなのだろう。 今年も一年有難う!2011年もどうぞ宜しくお願いします!
サステナビリティ活動の具体的な、測定できる目標設定
最近エントリーがどんどん多くなってきました。ワークプレイス作りからワークスタイル変革、そこからワークスタイルに大いなる影響を与えるコミュニケーションとサステナビリティと一歩づつ原因へと移行してきました。このブログの内容も、6年前からそれに合わせて変化して来ています。このところ海外のコミュニケーション学、サステナビリティ学、これらの実践に関するポータルサイトのようになっていますが、現在日本でまだ一般的に知られていない、または実践されていない内容を紹介し、ご一緒に考え、作って生きたいと思っています。 下記は、ツイッターで私がフォローしているonsustainさんのクリーン・テクノロジーのイノベーションのプレゼン資料です。 Clean-tech & Innovation Learnigns From Silicon Valleyhttp://static.slidesharecdn.com/swf/ssplayer2.swf?doc=learnignsfromthevalley-090331103658-phpapp01&stripped_title=learnigns-from-silicon-valley View more presentations from Oriol Pascual. 具体的な、測定できる目標設定の参考になると思います。 6ページのサンノゼ市の2015年のグリーン・ビジョン(特に5千万平方フィートをグリーン建築にするなど)や、15ページのEBCビジネス環境に関しての具体案では、ワークプレイス、ワークスタイル、サステナビリティが繋がっています。コミュニケーションという観点からは、今やこのように発表された日からほぼ何時間後にプレゼン資料が観れる、ダウンロードできる、またそれを作った人の信憑性をウェブ上の異なるリソースからクロス・チェックできる訳です。多くの人たちが、ウェブでのでっち上げクチコミと、信頼できるクチコミの違いが分かるようになったということもありますね。
ワークライフ、ワークプレイス、コミュニケーションにショッキングな統計
つい先ほど音声無しで見た動画です。Did You Know? (ご存知でしたか?)というタイトルですが、考え方に共鳴しました。知識がボーダレスになっている今、どの国出身の人材が今後社会に大きなインパクトを与えるか、そしてICTが人類の今後を変えることを深く考る必要性がある、という観点から語られています。 現在のブロードバンド・インターネット浸透率が1位の国はバミューダ、米国は19位、日本は22位という面白い統計が観れますが、2010年に必要とされるトップ10の職種は、2004年には存在しなかったものという統計はショッキングです。現在の学生たちには、ほんの数年先に必要とされる職業について教えられない。テクノロジーも、数年後には仕事でどんなICTを使いこなさなければならないか検討もつかない。 私たちは既に、変化できるもの、学び続けられるもののみ生き残れる時代に生きているのでしょうか。 情報源: http://twitter.com/minhaaj
ウェブで入手したネットワークのマイクロ社会学の資料、それが意味すること
Micro Sociology Of Networks http://static.slidesharecdn.com/swf/ssplayer2.swf?doc=microsociologyofnetworks-090316085658-phpapp02&stripped_title=micro-sociology-of-networks View more presentations from Critical mass. Slideshareをご存知ですか?大したことのないものから、最新の情報、または複雑な事柄を素晴らしいビジュアルにまとめてあるプレゼンテーション資料が無償で観て、ダウンロードできるサイトです。ツイッターでフォローしているThe Law Firmにネットワークのマイクロ社会学についてというコメントを辿って上記のプレゼンテーション資料を入手しました。ついこの間までは、このような資料は企業やコンサルタントが必死に守っていたものです。このような資料は、偉い先生、有名なデザイン、研究、調査会社に依頼し、何百万円もかけて入手しているというケースもまれではありませんでました。大量生産商品で商売している企業と同様に、コンサルタントという職業の成果、サービス内容が見直される時代が到来したようです。今後は、具体的な提案、実践、実行できる有意義な結果やサービスが求められるのでしょう。
コミュニケーション学
ネイキッド・コミュニケーションズ社をご存知でしょうか?広告市場で、コミュニケーション・コンサルティングを行っている会社です。この会社を知ったきっかけはツイッターだったのですが、最初はNaked(裸)という言葉を観て、何だか怪しそうなサイトのようで警戒してしまいました。でも、恐る恐る観てみるとコミュニケーションに対して新鮮な観点を持っており、面白そうだったので、ネイキッド・コミュニケーション社パートナーのJonny Shaw氏を訪問し、お話を伺わせて頂きました。 ここ10年間ほどデザインの理論、学理が広まりましたが、次にはコミュニケーションの理論、学理が追求されると予測されます。まだ確立されていない広報、コミュニケーションの理論ですが、Jonny Shaw氏や、もう1人のパートナーである前澤一成氏と話すと、そのあるべき論が見えてきます。私自身、ワークプレイスのカタチを作るコンサルティングから、そのカタチに最も影響を与えるコミュニケーションの実態測定と、改革のコンサルティングに移行したため、お二人の話を聞いて非常に勉強になりました。 日本語のサイトはまだ無いようですが、ブログはこちらTotally Naked。今後の活躍を期待しています。