可能性を広げる

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子供の遊びの世界を見ていると、大人の世界が分かってくる事がある。先日三男のかんたの他の子供との出会いと遊びかたを見ていて発見があった。

久しぶりにかんたと私二人でプールに行った。最初は私に見て、見て!と色々な”技”を見せて楽しんでいたけれど、それに飽きてから一人で遊び始めた。午前中だというのに、暑い週末だということもあり、プールは沢山の人で賑わっていた。そこでひときわ騒がしい子供達3人が目立っていた。走り回り、飛び込みまくり、ばしゃばしゃと本当に楽しそうだった。一番上の子は中学3年生ぐらいだったと思う。監視員数人の目が光っている中、上手く怒られない程度に遊んでいた。ルールとしてはプール際では走ってはいけないし、飛び込みもしてはいけない。その子は、やりすぎるぐらいのことを3人組でやって、注意の一言があると、素直に、でも元気ににこやかにすぐ言うことを聞いていた。周りには、ルールは絶対に守るべき!と偉そうにしているお父さん達が数人いて、その人たちはいやそうな顔をしていた。私も最初はその子達が騒いでいるのを見て、ちょっと不快だったけれど、実に楽しそうな無邪気な姿を見ながら、ああ、いいなぁ!こんなに楽しんでいて。子供らしい良い姿だなぁ!と心が変わった。少しは周りに迷惑をかけるかもしれないけれど、どこかで心も体も解放して遊ばせてやらなければ、子供はいつ生きる楽しさを身に着けれるの?という気持ちがあった。そう考えていた時、聞き覚えのある声がその3人に「入れて!僕も仲間に入れて!」と言っていた。かんた!そんな無邪気なかんたに対してとても嬉しい気持ちと、あぁ・・・周りに更に迷惑・・・と思う気持ちが同時にあった。黙って様子を見ていると、すぐに仲間に入れてもらい、この上なく楽しそうに遊び始めた。

今の私しか知らない人たちには信じられないことかも知れないけれど、私は子供の頃どうしようもないぐらい引っ込み思案だった。そんな私でも、小さい頃水際で大騒ぎした記憶がある。8歳まで過ごした鹿児島の夏の海と川の楽しくて、楽しくてしょうがなかった思い出が沢山ある。そんな楽しさをかんたが経験している。しかもかんたは自分から入っていけた。

かんたの行動や、周りの反応を見ながら、大人の仕事の場面のことを思った。

最近仕事でもそんなことがあった。数ヶ月顔は見ているけれど、知り合いではない面白いプロジェクトをやっている人たちに、「私も仲間に入れて!こういうことができるよ!」と自分から入って行った。すぐに仲間に入れてもらい、一緒に仕事を始めた。楽しい!このプロジェクトに正式に参加してお金をもらえることになるかどうかはまだ不明だ。でも私にとってそれは大したことではない。大切なのは、自分がやりたいことに挑戦して、可能性が広がるということ。お金はいい仕事をしていればかならずどこかで必要なだけ稼げる。

子供の時に、自分から「遊び(楽しい学び)」に入っていくことを経験した人たちが、大人になってからも「遊び(仕事=楽しい学び)」に入っていけるのではないだろうか。

働く場についても思った。企業の中でも、プールの監視員のように、ゆるやかに「仕事=楽しい学び」を見守っていくれている管理職の人たちがいて、ある程度広い組織であれば、多少注意されながらも、社員が育つ。でも仕事のありかた、組織のありかた、企業の姿について価値感が違う人たちが監視員、管理職の高い地位についてしまうと、場はたちまち萎縮してしまう。のびのびとした遊びは許されず、イノベーションも起こせなくなってしまう。

今では日本の都会に住んでいると安全だ。でも都会ではのびのびとした遊びをするにはある意味勇気がいる。日本における大企業もそうなのだと思う。大きな組織の中でのびのびと働くには勇気がいる。それが悪いとは思わない。どんな環境でも勇気があり、怖気づかずに失敗しながら進んでいく人たちが楽しさと学びを得る事ができるから。いつの時代でもそれは変わらないのでは。

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