昨日ワークプレイス評価調査について望月さんとミーティングした際、イノベーティブな商品はどうやって生まれるんでしょうか?といういつもの質問をしてみた。望月さんのお話しでは、この間までは、ちょっとしたアイデアが湧いたとき、変わったことを頼めば面白いものを創ってくれた遊び人が研究所に居たとか。あいつに頼もう、というような人。それができたのは、お金の出所をあいまいにすることができたから。いわゆるTom DemarcoのSlack(余裕)の話しだ。そして経理手法の領域だ。
そうなんだ。ITは人のニーズを測ることができない。今だに単純な単位に凝縮できるものしか測れない。愛とか、幸せとか、真実とか、満足とかを確実に測る単位などない。
今やITのおかげであらゆるものがクリアに解るようになった。どの部署がお金をつかっているか。どこに配当するか。生産量、面積など数えて測れるものの単位で組織も分けられ、各部署への配当がはっきりと、早くできるようになるにつれ、その測れない暗黙の部分で構成されているイノベーションが比例して起こらなくなってきたんだ。
私たちは場創りの話しから、話しの流れにまかせて続けていたら、思いがけない新しい理解をえることができた。
そして、それがどうして今日のビルの安く、早くプロトタイプをつくることがイノベーティブな商品創りに重要かという話しにつながっていく。
今のIT化された経理手法に基づいてお金の行き所を決めると、明らかに必要なところにお金が行かない。いわゆるとりあえず名目が商品開発のところとか、とりあえず広報とかに行く。でも、本当の商品開発というのは、面白おかしく、知恵を絞って考えると、金を使わないでプロトタイプをつくったり、シミュレーションしたるする方法はいくらでもあるということだった。海底カメラのテストをするからって、そのものを実際水の中で実験する必要はないときがある。要するに問題点をできるだけ単純化させ、それに絞って考えれば、人と紐だけでカメラに巻きつくコントロールコードの問題などを理解させることができる。だから、イノベーティブな「思い」を持った人達の仕事の進め方には、単純に!安く!早く!が非常に重要になるわけだ。
両方とも単純化。でもなんと言う差なのだろう。