「直せません」

この時点でビジョナリー・カンパニー著者一員のJerry Porrasのビジョナリー・ピープルに出会えて本当に幸せでした。タイトル「Success Built to Last:Creating Life That Matters」自体はその辺にごろごろ転がっている軽い人たちが書いた軽い人生におけるつかの間の成功論のような臭いがしたので、Jerry Porrasが書いたといえども最初はかなり構えて読みました。一度あちこち飛ばしながら読んだ後、価値があると思えたので再度読み返してみたのですが、良かった!日本語アマゾンのレビューで凄さは分かりません。でも私がなんといっても敬意を持つのは、ここでの「成功」観点は研究の背景、定義と手法に対してです。グローバル展開したアンケート調査、一般的にリスペクトされている雑誌などが定期的に出している成功者のリスト、そして対象者への個人インタビューが基となっています。「成功」の定義を辞書や一般論のものではありません。「成功」を有意義な意味で設定し、それに基づき人生で成功したとされる人たちの生き方、ありかたについて語られています。私をひきつけたのは、調査において各対象者達はその人の人生最低20年のスパンで「成功」が調査された、というところです。

テレビ、映画でも、ほんの数日間で駄目なやつが勝者となるという展開が多いですが、本物について少しでも知ることができる本に出合えて良かった!本に線を引きまくっている中でも、第8章の「直せません」というところは現代の人々や企業が向き合わなくてはならない事だと強く思ったので、ここに英文と和文を再現させて頂きます。英文のものを私流に訳すものなので、オリジナルの和文と違うと思いますが、ご了承下さい。

Success Built to Last: Creating A Life That Matters
Paperback edition PP146, 147

There Is No Cure

In the post-modern world, it has become human nature to expect our heroes to be perfect, despite overwhelming evidence that they never are. … it wouldn’t be Greek mythology if the heroes weren’t deeply flawed. And get this — there was no cure! If the hero failed to learn the lessons offered up by his flaws — well then — the story was a tragedy.

The lesson is always this: Weakness was not the cause of the tragedy; rather, the hero’s relationship to the weakness become the cause of his undoing. At the heart of the hero’s adventure was the idea that potentially tragic flaws or weakness must be embraced by the hero and included as elements of his authenticity as part of who he was. To foreget or deny this reality was the catalyst of tragedy.

…..Worse still, if you do this, you could be trying to “cure” yourself of a virus for greatness!

直せません

 現代の世界では、そうではないという圧倒的な証拠に関わらず、人はヒーローに対して完璧さをもとめるようになってしまいました。 ・・・ヒーロー達が深い欠点、弱点を持っていなければ、ギリシャ神話とはいえません。そしてこれはどうでしょうか。それらは直せなかったのです。もしヒーローが自分の欠点、弱点から来る学びの機会をものにすることができなければ、そのストーリーは悲劇となります。

 学びはいつもこういうことです:弱さは悲劇の原因ではありません。それよりも、ヒーローとヒーロー自身の弱さとの関係が堕落の原因となるのです。ヒーローの冒険の中心には、ヒーローが悲劇を生み出す可能性も秘めた欠点や弱さをヒーロー自身が受け入れ、それを自分らしさの大切な一部とするという思想がありました。これを忘れたり否定することが、真の悲劇のきっかけとなるのです。

 更に悪いことには、もしもこのようなことをしているのであれば、あなたは自分が成し遂げられる偉大さの可能性も「直して」しまっているかもしれません。

私たちは、自分が男であること、女であることを否定したり、自然からくるそれぞれの欠点、弱点も必死に直そうとしているような気がします。そして同じように子どもに対しても、部下に対しても。

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