在日アイルランド人のピーター・マクミラン先生は、百人一首を翻訳し、One Hundred Poets, One Poem Eachという本として出版している。この本のカスタマーレビューには、オリジナルの日本語があること、翻訳と説明が美しいことなどが書かれている。
先日マクミラン先生の講演を効き、確かにそうだと思う。でも私は、講演で今まで知りえなかった、感動の百人一首に出会えた。それは、「歌」だ。
マクミラン先生は味のあるテノールの声で、いくつかの伊勢物語のうたを読み上げてくださった。最初の音ではっとした。心が揺さぶられ、涙がこみ上げてきた。百人一首はとてつもなく美しい歌なのだ!今までかるた大会で、百人一首が読み上げられるのを何度も聞いて来た。今まで何も特別に思わなかった。それはそのはずだ。例えば流行りの歌でも、声が美しくない人、音痴の人、心を込めて歌詞を歌わない人の歌を聴いて感動するだろうか?オペラのアリアは、一流の歌手が歌うと言葉の意味が分からなくても感動する。百人一首は、短歌は、外国の詩と比べるのではなく、オペラに比べられるものなのではと思うようになった。
気に入った曲を探すように、ユーチューブで百人一首を検索してみた。かるた大会。声の美しくない人。音楽的な感覚の無い人。本当にがっかりした。
マクミラン先生、今度はオーディションを行い、えりすぐりの歌い手が読む、日本クラシック歌集を作ってくださらないでしょうか?